PCのWindowsでもFontLinkを

最近、UTF-8エンコードのメールというのが言語を問わず結構来るようになりました。多言語が混在できて非常に便利なわけですが、20世紀のインターネット界には7bit原理主義の人が多くて、自分もどちらかといえばそれに近かったものです。今ではメールサーバーや回線の環境も変わり、さすがに8bitエンコードのメールを受け取って文句を言うような人は、かなり減ったことと思います。
これまでにも何回か触れてきたように、自分はBecky! Internet MailをVer.1の頃から愛用し続けているのですが、Becky!にはエンコード別にフォントを指定する機能があり、ある時期からは中国語やハングルのようにフォント名が決め打ちできるエンコードについては自動的に設定されるようになっていました。しかし、UTF-8についてはデフォルトでは「(デフォルト)」フォントをそのまま使うようになっています。実はこれまでUTF-8用のフォントには世界の主要言語ほぼ全部入りの「Arial Unicode MS」を指定していたのですが、ビットマップを含まないアウトラインオンリーのフォントなのでギザギザが目立つ上に、自分はメールでは固定ピッチフォント派なので、プロポーショナルなことも気になっていました。
そこで、以前Windows Mobileのネタとして取り上げたことのあるCJKフォント同士のFontLinkの出番。すでにWindows 2000が出た10年前からの常識だったようですが、恥ずかしながら自分はWMを通じて初めてその存在を知り、しかもそれから2年半になろうかというのに、その間UTF-8でメールをもらう機会があまりなかったこともあって、実行には移していませんでした。しかし、今年に入ってから結構来るようになったので、とうとう我慢できずに手を出してしまうに至りました。
以下、PCのWindowsでMS ゴシックに中国語簡体字・同繁体字・ハングルのフォントをリンクする手順をまとめておきます。

  1. スタートメニューの「ファイル名を指定して実行」からregedit(レジストリエディタ)を起動し、左側のツリーでHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\FontLink\SystemLinkを開く。
  2. 右側(ツリーでないほう)を右クリックして「新規」-「複数行文字列値」。名前を変更できる状態で「新しい値 #1」が作成されるので、半角アルファベットで「MS Gothic」と変更。
  3. 下の画面のように「フォントファイル名,フォント名」の形式で入力して「OK」し、レジストリエディタを終了。

simsun.ttc,SimSun /* 中国語簡体字 */
gulim.ttc,GulimChe /* ハングル */
mingliu.ttc,MingLiU /* 中国語繁体字 */

レジストリ編集が完了したら、Windowsを一旦再起動してください。FontLinkは再起動後に反映されます。
で、Becky!側では「全般的な設定」-「言語/フォント」タブで「言語」に「UTF-8 (UNICODE)」を選び、MS ゴシックを指定します。以下はFontLink実行前と実行後の結果です。

FontLink前。

FontLink後。
ちなみにWindows XPのデフォルトではMS UI Gothicにだけ中国語簡体字・同繁体字・ハングルのリンクが設定されていますが、同様な手順でほかのフォント(例えばMS PゴシックやMS 明朝)にもリンクさせることが可能です。