Androidとマルチメディア

Android WM Smartphone一般

Android端末の動画やオーディオの再生はOpenMAXとOpenCoreという2種類のエンジンの組み合わせで実現されているそうで、対応フォーマットとしてはOMAなどで標準化されているMPEG-4やH.26x系、AAC系が標準のようですが、自分にとって最も重要なのは、世界的にまだ大半の地上波ラジオ/テレビ局がサイマル放送に利用しているWindows Media CODECです。
これまで商用化されたAndroid端末のほとんどに、一応はWMAやWMVのCODECが入っているようです。アプリを入れなくともブラウザからのリンクを叩くだけで多数のWMA/WMVストリーミングが再生できるXperiaをはじめ、「ストリーミング型には非対応」というHT-03Aの公式ROMや、各種のカスタムROMの中にもまず例外なく入っています。
Android端末に入っているOpenMAXのWMA CODECは、オフラインのファイルであればWMA9 Proの一部を除いてほぼ再生できるようですが、WMVについては、一体どのプロファイルだと再生が可能なのか逆に教えてほしいほどの互換性の低さ。どうやら今はほとんど使われなくなったWMV8以前でないと再生できないようで、オフラインの動画ファイル再生でもWMV9はAndroid 1.x系では全く絵が出ず、2.x系では画面に1フレーム映るものの、先に進みません。
そんなわけで、数年ぶりにPC用動画変換アプリ「携帯動画変換君」をインストールして、WMV動画をAndroid端末でももれなく再生できる3GPP(MPEG-4)形式に順次変換中なのですが、何しろこのアプリを使うのは2006年後半、メイン端末をiモード端末からスマートフォン（HTC Hermesが主力機だった頃）に移して以来ですので、すっかり使い方を忘れてしまっていました。変換完了直前で止まる原因がQuickTime 7の未インストールであることに気付くまで、30分も試行錯誤を繰り返してしまったほどです。
それとDroidCumulus Radio、再生できないストリーミングが結構あるのはMMSプロトコルの互換性が完全でないためだとはわかったのですが、2.x系のROMでは別の問題があるようで、いつまで経ってもBufferingのままでPlayingに移行しません。どのROMを試しても全滅でした。どうやら2.x系のWMA CODEC（Nexus Oneから持ってきたもの？）に対応できていないと思われるような挙動です。
試しにCyanogenMod-5.0.7-test1(Android 2.1)の\system\lib\libomx*.soをZX Donut Build 2.51のと入れ替えたROMを焼いてみたのですが、該当ファイルを全て入れ替えるとOSが起動せず、Windows MediaのCODEC本体と思われるlibomx_wmadec_sharedlibrary.soとlibomx_wmvdec_sharedlibrary.soだけの入れ替えでは、OSは起動するもののDroidCumulusがCODECを認識できていない様子。これが解決するまでは、2.x系に乗り換えたくても保留せざるを得ない状態です。CODECそのものはどのROMにも入っているので、WindowsのDirectXでいうところのフィルタグラフ接続に相当するCODECの設定がうまく行っていないだけだろうと思いますが、解決方法は見つけられていません。当座凌ぎとしてはたぶん1.6系のOpenMAX、OpenCoreを移植してやればいいのでしょうけど、やり方がわかりません。
現時点ではマルチメディア関連だけはWindows Mobileが圧倒的に上。というかSymbianやiPhoneなども含め、対応フォーマットや再生環境の豊富さという点で、スマートフォンOSの中で頭ひとつ抜け出しているのがWMだろうと思います。WMにないのはradikoアプリ（野良を含む）ぐらい。OpenCoreでのWindows Media系CODECの対応がWindows Mobile並みになるかどうか（どっちも略すと「WM」でややこしい…）、今後どうなって行くのかにも懸かっているのでしょうが、Windows Media側も進化が続いていて、Windows Mobileですら最新CODECには対応できていない状況なわけで、Androidなど非MS製OSでは周回遅れの状況が今後も続くのでしょうか。
前評判が今ひとつのWindows Phone 7が製品版リリースに向けて巻き返しを図るには、マルチメディア関連へのフォーカスが有効かもです。現状のWM6.x版WMPもPC版のWMP10/11で再生可能な動画が100%再生できるわけではありませんが、そこが100%か、またはそれに限りなく近いレベルになれば、と期待しています。