SoftBank X06HT by HTC/東芝CDMA TSI01

昨日、2月分の「技術基準適合証明等の公示」(通称:技適)がアップデートされましたが、スマートフォンと思われる端末機器が2つありました。とりあえずPDF直リンですがこちらを。HTC Corporationの「X06HT」と東芝の「CDMA TSI01」という端末が、2月前半に技適を通過したそうです。
X06HTはHTC製のソフトバンク向け端末として、久しぶりの新機種となります。型番がXシリーズでメーカーもHTCであることから、少なくともスマートフォンであることは疑いの余地なし。あとはOSが何であるかですが、Windows Mobile 6.5端末「HTC HD2」などの可能性もゼロとはいえないものの、出したとして現行機種であるX02Tとの差別化が難しいことや、昨年11月のSBMAndroid参入発表からの頃合いを考えて、目下HTCブランドのW-CDMAAndroid端末としてハイエンド(CDMA2000ではWiMAX対応のEVOが発表されましたが…)を担い、SBM発表のスペック(Snapdragon 1GHz、3.7インチ有機EL)とも一致する「HTC Desire」の可能性がかなり高そうです。ほぼ同スペックのGoogleブランド端末「Nexus One」は日本で出ることがあるとすれば、基本はGoogleによる直接販売だろうと思いますし、仮にSBMやその関連企業が端末流通や回線提供などで協力することがあっても、Xシリーズではなく、Googleのブランドそのままで行くでしょうから。
仮にX06HTがDesireだとすると、SBMなのでキャリアメール対応はバッチリでしょうし、料金プランも事実上ホワイトプラン+パケット定額フル一択なのでわかりやすいと思いますが、Xシリーズを名乗る以上SIMは銀色を使うのでしょうし、パケット定額料などでiPhoneのような優遇策を採るのは難しそうな気がします。Xperiaのようにソニエリ(というかソニー)のブランドイメージを前面に押し出す形での販売戦略も立てにくいでしょうし、「品揃え充実目的でとりあえず導入してみた」程度の存在で終わってしまわないかと、やや心配です。
X06HTがDesireだとすれば、OSは間違いなくAndroid 2.1以上+結構評判の良いHTC Sense UIが載ってくるでしょうし、ハードウェアスペックも良いのでAndroid端末としての競争力は間違いなく高いのですが、最新OS搭載のハイスペック機の国内リリースを待望していたAndroidのコアユーザー層に対してはともかく、通常端末からの乗り換えを考えている、現在のXperiaユーザー予備軍のような層への訴求力には欠ける気がします。最大のライバルはXperiaではなく、同じSBMの扱うiPhoneだと思います。スマートフォンとしてはクローズドで自由度が比較的低いものの、全体的な完成度が高くてアプリの充実度も抜群、料金面でもメリットの大きいiPhoneと、まだまだ発展途上で世間の評価も定まっていない上、パケット料金の優遇も期待できなさそうなAndroid端末・X06HT。もちろん、SBMだけに何らかの仕掛け、サプライズが準備されているのかもしれませんが、現時点ではiPhoneAndroidが仲良く並んでいるソフトバンクショップの店頭で、Androidのほうを選ぶユーザーの姿が具体的にイメージできません。内なる最強の敵と、果たしてどう戦って行くのでしょうか。
一方のCDMA TSI01。型番では情報がまだほとんどありませんが、Android端末と噂されるシャープ製の技適通過済み「CDMA SHI01」と同じく、メーカー名2文字の略号に続いて「I」の文字が入っている点に要注目です。1月27日のヤマト運輸のプレスリリースKDDIでは初となる、堅牢・防水・タッチパネルに対応したWindowsMobile搭載の次世代携帯電話」という異例な形での未発表WM端末への言及があったこと、あと2月のMWCで発表された「TG02(これ自体はau網用のCDMA2000ではなく、W-CDMAですが)」がどうやら防水仕様らしい(「TG02」+「防水」とか「waterproof」でググると、昨年のリーク記事がいろいろ)ことから、ヤマトに納入される予定のヘビーデューティWindows Mobile端末、またはそのベースモデル(ヤマト向けのはなんとなく防水性能や耐久性が一般市販モデルからさらに強化されていそうですので…)がたぶんこれなのだろうと推測しておきます。auAndroid端末については、キャリアメールに加えておサイフケータイLISMOのような、いわゆるガラケー機能がいろいろ載ってくる可能性が囁かれていますが、このTSI01に関しては世に出るきっかけになったのがヤマトなのだとすれば、現状のE30HT以上のau向けカスタマイズは期待できない気がしています。