Google AppsをDynDNSで無料で使う(ただし要自Web鯖)

Gmailを含む各種のGoogleクラウドサービスが自分の用意したドメイン名で使える「Google Apps」、ふとしたきっかけから急に使ってみたくなったので、無料の「Google Apps Standard Edition」を設定してみました。
で、自宅サーバー(以下自鯖)用に使っているダイナミックDNS(DDNS)サービスが「DynDNS」なもので、新しいドメインを既存のアカウントから取得しようとしたら、Google Appsの設定上の最初の難関「ドメイン所有権の確認」の通過にあると便利なワイルドカードのオプションが、いつの間にか有料化されてしまっていてびっくり。CNAMEを任意に作成することも、無料サービスの範囲ではできないですし。
仕方がないので、もうひとつの認証方法である「HTMLファイルをアップロード」のほうを試してみることにしましたが、この方法はドメイン所有権の確認のためにGoogle側から自鯖へのアクセスが発生するので、事前に何らかのWebサーバーをセットアップしておく必要があります(すでに運用中であれば不要)。
以下の手順は少し端折っていますが、有料サービスを利用することなくDynDNSの無料部分だけでGoogle Appsをやってみようという方のために、参考としてまとめておきます。

  1. 何らかのWebサーバーソフトをセットアップ。ApacheでもXPに付いてくるIISでも何でもOK。
  2. DynDNSでDDNSドメインを作成(または既存のドメインを以下のように設定変更)。IPアドレス自鯖のものでOK。メール関連の設定は以下の通り。
  3. 2.で設定したドメインで、Google Appsにサインアップ。ドメイン所有権の確認は「CNAMEレコードを作成」ではなく「HTMLファイルをアップロード」のほうを選択。ランダムな文字列(22文字ぐらい)が表示され、それを書き込んだHTMLを指定されたファイル名でサーバーに置くよう指示されるので、表示された文字列をブランクのテキストファイルにコピペして保存し、指定されたファイル名(拡張子は*.html)にリネームしてWebサーバーのルートにコピー。
  4. Google Appsダッシュボード(ログイン後のトップページ)の画面上部(検索窓の下)に、ドメイン所有権を確認中で最長48時間かかる旨が表示されるが、通常は5分程度で消える。表示が消えた時点で所有権確認は完了。3.で作成した確認用HTMLファイルも削除可(というか自鯖自体この時点で停止可)。
  5. ダッシュボードから「メールを有効にする方法」をクリック。移動した先の「メールの配信設定」の一番下にある「指定された手順を完了しました」をクリックするとMXレコードの設定が行われ、ダッシュボードに戻る。
  6. ダッシュボードの「サービスの設定」の「メール」の横に「設定中」と出てから、約1時間程度でメールが使用可能に(ちなみに今回はきっかり1時間かかりました)。

あとは普通のGmailと全く同様に、メールソフトでアカウントの設定を行えばOKです。POP3/IMAP4のサーバー名(*.gmail.com独自ドメインではありません)や、ログインIDにフルアドレス(@以下も)が必要なのも同様ですが、普通のGmailと異なるのは、最初からIMAP4やPOP3が有効になっているので、事前にWebメールにアクセスして有効化する設定が不要なことです。
なお、WM、Android端末等にもIMAP4やPOP3のアカウントとしてはもちろん登録できますが、ActiveSyncにサーバーとして設定し同期させる「Google Sync」のExchange互換機能はStandard Editionでは削られています。つまり、Direct Pushや連絡先、予定表の同期はできません。iPhone等でも同様(のはず)。まあ、タダですからね。
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とりあえずDynDNSをもう6年間トラブルもなく使っているので、それしか思いつかなかったのですが、上の手順なら、MXレコードの設定にさえ対応していれば、どのDDNSサービスでも使えると思います。
Google Apps Standard Editionをメール用に使うメリットは、一度設定してしまえばGmailと同機能(Exchange互換を除く)のメールアドレスがIDとパスワードの作成だけで50個まで増やせて、しかも@の前が自分の好きな文字列に設定できることだと思うのですが、自分で取ったドメインならともかく、DDNSプロバイダーが提供する無料ドメインはあらかじめ用意されたドメインサブドメインをくっつける形ですから、どうしても長くなってしまい、結果的にメールアドレス自体も長いものになってしまいがちです。
それにしても、数年ぶりにDynDNSにログインしてみたら(普段はDiCEに任せているもので)、機能がものすごく増えた一方でそのほとんどが有料サービスなのには、ちょっと驚きました。そもそもDynDNSが「.com」になっていたことすらも知りませんでしたし。うーむ。