フィーチャーフォン

このところ、ネット媒体をはじめいろいろな場所で目や耳にするのが「フィーチャーフォン(feature phone)」という用語。特に先週はバルセロナでMobile World Congress(MWC)が開かれていたこともあって、関連記事、中でも日本のキャリアによるプレゼンの記事(たとえばこれ)の中で頻繁に登場していたと思います。
意味はMicrosoftの定義するところによれば「アプリケーションをインストールできるものの、搭載メモリが少なく、基本的なデータサービスの利用に限られた携帯電話」だそうです。要は日本で言うところの「ガラパゴスケータイ(ガラケー)」に近い概念、というかスマートフォンのようでスマートフォンでない主に日本メーカー&キャリアによる日本国内向けの中〜高機能端末を、外国人にもうまく説明可能にするために生み出された用語のように思います。「搭載メモリが少ない」というのだけは必ずしも現実に即していないかもしれませんが。海外でもSamsungやLG、Sony Ericssonあたりが得意としている非スマートフォンの中価格帯以上の端末、たとえばソニエリWalkman Phoneとかは、フィーチャーフォンに分類されるのかもしれません。
で、各掲示板なんかでもこの目新しい用語がたまに話題になるようですが、さっそく「ーチャーフォン」という誤った表記をちょくちょく見かけるようになりました。「未来の電話」かぁ…確かにおサイフケータイモバイルSuica等をはじめとして、日本の誇る非接触型電子決済技術とその展開ぶりに、来日した外国人は「フューチャー」を感じるのかもしれませんが、フィーチャーです。正確に言っておきたいので (c)菅野美穂曲げられない女
featureとfutureの混同といえば、思い出されるのが「フィーチャーコネクタ」。かつて現在のWindows PCが「(IBM)PC/AT互換機」ないしは「DOS/Vマシン」と呼ばれていた時代、1990年代のビデオカード(グラフィックボード)に付いていた剥き出しの端子で、ISAからVESAローカルバスを経てPCIの初期頃まで存在していたはずです。主な用途はビデオキャプチャカードなどオーバーレイを行う拡張ボードの接続で、データそのものの転送よりは同期を取る目的で使われていたように記憶しています。
で、このコネクタを「フューチャーコネクタ」と呼ぶ人があまりにも多く、当時のPC雑誌の記事でも幾度となく使われていたのを見かけたものです。
…と思って「フィーチャーコネクタ」でググってみたら、「フュー〜」のほうまで引っかかってきました。あまりに間違えている人が多いので、親切のつもりで引っかけるようにしているのでしょうか。