1958〜9年頃のヘテ製菓本社工場カラー写真。

Street scene in Yongsan | 続き
またもヘテネタですが、おそらく現在ソウル龍山区南営洞のクラウン製菓・ヘテ製菓食品の本社社屋(1990年代に旧ヘテ製菓*1の本社として建設されたもの)が建っている場所。建物の寂れ具合からみて、日本統治時代の前身「永岡製菓」の頃から使っていたものでしょうか。正面に"해태제과공장(ヘテ製菓工場)"とはっきりあるのが見えます。屋上の煉瓦製の煙突に「工場」の「場」が白く漢字で書かれているのも見えます。"과"と"공"の間あたりに傷を修復した痕がみられますが、朝鮮戦争で銃撃でも受けたのでしょうか。あと、当時の社名"해태제과합명회사(ヘテ製菓合名会社)"と書かれていると思しき正面の扉が閉まっているのと、2枚目でチマチョゴリ姿の女性が歩いていることから休日(日曜日?)の撮影と思われます。
元駐韓米兵のNeil Mishalov氏による、1968〜9年の韓国や日本を撮ったカラー写真アーカイブ Korean Japanese Photo Collection より。このサイトを発見したのは随分前(5〜6年前)で、確かオーマイニュース(韓国版)からリンクが張られていたのを辿ったのだったと記憶しています。このヘテ本社の写真は別の元駐韓米兵氏(1958〜9年に駐韓)の提供によるものです。
あと、辿った先に直リン禁止っぽいことが書いてあるので直リンしませんが、日本の横浜や東京の写真も多数あります。懐かしい、三丁目の夕日っぽい(時代的にはその10年後ぐらいですが)感じの写真が多数。クモンカゲもとい食料品店のショーケースには「シナルコ」のポスターが。Sinalcoはドイツ発祥の清涼飲料メーカーで、韓国でも1950年代後半から60年代前半にかけて東洋麦酒(OBビール)*2から「OBシナルコ」が販売されていたことがあるのですが(HLKZ-TVでアニメーションを使ったCMも流れていたらしい)、日本でもこのシナルコが売られていたことがあったのですね。

*1:旧ヘテ製菓は2001年に現在の「ヘテ製菓食品」に営業権を継承し、上場廃止となった後に「ハイコンテック」と社名を変更し、9年後の現在も最新のデータによれば社員5名で存続中で、今なお市場外で株式の売買が行われています。1株数百ウォンですがもはや事業の実体はないはずなのに、1ウォンやゼロになっていないのは何故なのか…謎です。

*2:後に東洋麦酒は韓国初のコカ・コーラボトラーとして子会社を設立し、1996年までコカ・コーラ社製品のソウルとその周辺での製造・流通を手掛けていました。その後、韓国のコカ・コーラボトリング事業は豪州のコカ・コーラ社子会社による直営化を経て、現在はLGグループに移っています。