iモード.net対応メール転送ソリューション「imoten」

ドコモ回線でスマートフォンを使う人々にとって「スマフォでiモード」は長年の課題です。独自性が強くクローズドな仕様のiモードは、ユーザーの力でもどうにかこうにか解決が可能なSBMのS!メールやYahoo! ケータイに比べてハードルが高く、Webはまず不可能、メールはこれまで「iモード.net」(\210/月の有料オプション)によるWebメールが送受信ともに可能な唯一の手段となっているものの、端末単体でのプッシュ受信ができず、Webメールゆえの使いづらさもあります。
今日もXperiaの発表に合わせて何か動きがあるのでは? と期待した向きもあったようですが、年内対応の意向が表明されたものの、やはり? 具体的には何も発表されませんでした。これまでも対応が何回か口にされ、実際に出てきたのがあの2台持ち前提「モバイルアプリ」だったりしたので、そもそも個人的には正直あまり期待していないのですが。


と、いうわけで、非iモード環境(PCを含む)でiモードメールを活用すべく、iモード.netを少しでも使いやすくしようとユーザーの手でさまざまな解決が図られている…ことを知ったのは割と最近なのですが、現在実現されているのはメールの転送で、Windowsスクリプトで書かれた「iモード.net Gateway」というものが以前からあったようですが、新たに今年に入って「imoten」というソフトが出てきました。
http://code.google.com/p/imoten/
このimotenはJavaで書かれているのでマルチプラットフォームで、しかも最新バージョン(v1.1.0)ではなんと、iモード.netを経由した普通のメーラーからのiモードメール送信(つまりiモード端末以外のSMTP対応メーラーからのiモードメール送信)までも可能となっています。この送信機能は、imoten自体が中継用SMTPサーバーとなって、メーラーから送信されたメールをiモード.netの送信用サーバーに渡すことで実現しているようです。ただし、今のところはファイル添付や絵文字の使用はできないようです。
imotenを使うには、その性格上、常時起動しているPCが必要となります。自宅サーバーを立てている人は、その上にインストールすればよいでしょう。Windowsではサービスとして登録・自動起動させることもできます。
設定は「imoten.ini」というテキストファイルに、自分でiモード.netのアカウント情報(docomo ID/パスワード)やメール転送先の設定などを書き込んでやる必要がありますが、iモードメールの転送だけなら「Parameter.txt」に書かれているGmailHotmailの設定例に従って行えば、簡単にできるかと思います。送信までやろうとすると、imotenが使うSMTPポートの開放とポート・フォワーディング、ダイナミックDNS(固定IPの人はアドレス直書きでもOKでしょうが)の設定なども必要となります。
送信機能を使う場合は、メーラー側のSMTPサーバーの設定欄に、そのダイナミックDNSのアドレスとポート番号を設定してやればOKです。つまり、メーラーでは新たにアカウントを作成してPOP3/IMAP4サーバーの設定を転送先アドレスのものに、SMTPのほうをimotenのインストールされているPCのダイナミックDNSアドレスにしておけば、iモードメールアドレスで送信・受信ともに可能なアカウントの出来上がりです(自分はこのためにGmailで新たにimoten専用のアカウントを作成しました)。
なお、転送先のメールアドレスは複数設定できるので、たとえばスマフォのプッシュ可能なアカウント(mopera.netとかS!メールとか)と非プッシュのimoten専用アカウントの2箇所に転送し、返信はimoten専用アカウントを仕込んだPCから出すような使い方にも対応できます。
とりあえずさくっと設定してテスト運用中ですが、PCからは普段使用しているBecky! Internet Mail(Ver. 2.53.00)で転送メールの受信はもちろん、送信も可能でした。作者さんはiPod touchやThunderbird3でも送信に成功されているようです。たぶんiPhoneでもOKでしょう(SBM回線でiモードメールの送受信というのも、なかなか乙なものですね)。ただし、自分が一番使いたいWindows Mobile端末のOutlook Mobileでは、何が悪いのか今のところ、送信がうまく行っていません(受信はもちろん大丈夫)。ちゃんと:(コロン)でSMTPのポート番号も指定しているのですが…