Hermesをめぐるここ1ヶ月の動き。

本当にこの2月から3月にかけて、Hermesの解析が大幅に進みましたよね。そもそもHermesのROMはそれまでなかった(たぶん初出はStar Trekだと思いますが)NBH形式で、署名のないROMは焼けない仕様となっています。追い打ちをかけるようにX01HTのいわゆる12月版でBootloader(BL) 1.09が登場し、Radio BL 0108の存在が明らかになった頃は、もはやHermesの前途は…とさえ思ったものです。
それが年が明けたあたりから急展開を見せ始め、BL 1.09のゴニョ突破、SPL 1.01-MFGの出現、GPS対応Radioの移植…と一気に進んだかと思えば、ついにはHermesでは不可能と思われていたROM調理まで実現してしまいました。並行してCIDや署名チェックのないBLやRUU(ROM Update Utility)も開発されて調理済みROMを焼くための環境が整い、とどめはVanillaとWMXLの出現。
もはやHermesもUni並みに自由度の高いデバイスになったと言ってよいでしょう。ここまでの展開、Hermesを手に入れた昨年7月初頭や国内コンシューマ機が出回り始めた昨秋の時点では、本当に全くの予想GUYでした。解析に関わった人たちも欧州、北米、アジアと、まさに世界規模のプロジェクトです。
残されたHermes関連の未解析情報は、4月以降必要となるアレぐらいになってしまいました。さすがにアレは日本ローカルですし、海外の人には取り組むメリットがないので、誰も手掛けていないことでしょう。果たして、アレが攻略されてしまう日はやってくるのでしょうか…
まあ、ROM編集や部分焼き(OSだけ、Splashだけ…)ができるようになったことですし、国内ROMを編集して俺様仕様に仕立て上げ当座をしのぐ、という手はあります。
とりあえずROMに入っていないAKU 2.3版A2DP(いま出回っているのは2.0です。2.3のは2.0と比べてAVRCPや通話中自動ミュートなどの動作が改善されています)を組み込むのには成功したところです。引き続き必要なプログラムを組み込んだり、逆に不要なファイルを消したりして行けば、結構使えるROMに仕上がるのかもしれませんね。
ただし、国内ROMは2つとも某シェフやウェイターでの展開時に-forceが必要な(つまり展開・再結合の結果が保証されない)ROMですし、使い込んでもいないので、不具合についても未知数です。はっきり言っておすすめはしません。そもそも、正規のROMを正規のRUUで普通に焼くだけでも、文鎮化リスクはありますから。