コーラ独立815

アエーズやiモードメール、バリュー化に混じって、珍しいキーワード「コーラ独立815」を数年ぶりに見かけました。エントリしたことはないはずなのに…と思って自分でもググってみたら、幻の「七星コーラ」のエントリ(2005年10月13日)へのコメントで815に言及したことがあったのですね。もしかして今日の「3・1節」絡みで検索されたのでしょうか。ほかにかつて自分が815の現物を提供した「コーラ白書」さんとか、TVでおなじみの森永卓郎さんのサイトにもヒットしました。というわけで3・1節にちなみ、今はなきこのコーラについて知っている内容をまとめておきます。
コーラ独立815、一般には「815コーラ」と呼ばれていましたが、かつて韓国に地域別に4社存在したコカ・コーラボトラーのうち、慶尚北道と忠清南・北道(大邱・大田の両広域市を含む)をテリトリーとしていて、1996年の韓国内ボトラーの再編*1を唯一拒否した「汎洋食品」が独自に開発して1998年から売り出したものです。
ネーミングは「光復節」と呼ばれる日本敗戦(朝鮮解放)の日、1945年8月15日にちなんだものですが、「コーラ独立815」と「コーラ」が商品名の先頭に来ているのは、コカ・コーラとの契約解除にあたり「解除後5年間(だったか)は『〜コーラ』という名前の商品の製造は許可されない」という条項があったため、やむなく「コーラ」を先頭に付けることにしたのだそうです。
815は韓国で初めて原液から自主開発された完全オリジナルのコーラ*2でした。
ちょうどアジア金融危機直後で韓国経済がどん底に近かった時代背景もあって、徹底的に愛国心に訴えた815は結構なヒット商品となり、調べてみると1999年には14%弱のシェアを獲得したとありますが、1年ちょっとで金融危機の影響がほぼ克服されたこともあってか2000年頃からコークやペプシなどの人気が復活し、結局は競争に敗れる形で汎洋食品は2003年10月に倒産、815も翌年9月までに完全に生産が中止されてしまったそうです。
1998年から2000年にかけては仕事で韓国に行く機会が結構多かったので、よく飲んでいました。味はペプシにあるレモン味に近かったですが、コーラとしては何か物足りなさを感じたものです。後に(2000年頃)ヒットしたニアウォーター飲料(「桃の天然水」のような)の「2%足りない時」に引っかけてか「1%足りない味」と評されたこともありました。

*1:他の3社は米国コカ・コーラ本社主導で豪州のコカ・コーラ・アマティル社の出資により設立された「韓国コカ・コーラボトリング」に工場を譲渡した上、飲料業界から撤退。同社は後にLGグループの傘下に入り、現在はLG系90%、コカ・コーラ本社10%の出資比率で運営中

*2:先の七星コーラや、815と同時期にヘテ飲料から発売されていた「コンビコーラ」など、815以前に韓国で生産されたコーラはすべて原液を米国などから輸入していました