オリオン → スタリオン

昨日、いつものように車で川口市内の某ショッピングモールに買物に行った帰り、買い忘れたものがあったので普段はあまり行かないマルエツに寄ったら、韓国の国民的お菓子「オリオンチョコパイ」のパッケージを発見。韓国の規格とは異なる4個入り(韓国は12個入りか6個入り)で、価格は税込\105。
しかし。箱をよく見てみると、「ORION」とあるべきブランド表記が「STARION」になっていました。輸入元は「株式会社オリオン日本支社」で、韓国のオリオン本社の日本法人または支店で間違いないだろうと思うのですが、原産国がなんと「ベトナム」。
「スタリオンチョコパイ」でググってみたら、これがヒットしました。昨年12月から正式に発売されていたのですね。
ところで、韓国のスーパーやコンビニの菓子売場では超定番商品となっているオリオンチョコパイが発売されたのは1974年です。韓国外で同種の製品には1960年代からある森永製菓の「エンゼルパイ」や、さらに歴史のある1917年生まれの米国の「MoonPie」がありますが、オリオンがそれらの製品から着想を得たことは間違いないでしょう。というか1980年代のオリオンチョコパイは、1970年代のエンゼルパイそのものだったような。
独自の改良は1980年代半ば頃までは感じられませんでしたが、80年代末から90年代にかけて味や包装(個包装の袋が透明素材からアルミ蒸着となり、かつ表面のチョコレートコーティングが剥がれても内側にくっつかないような素材に変更)の改善が加えられました。
並行して海外市場の開拓も進み、中国の北京近郊と上海のほか、ロシア、それに今回の日本向けの原産国であるベトナムにも工場進出。とくに中国での成功は特筆に値するものがあります。ちなみにオリオンの中国語でのブランド表記は「好麗友」=読みは「ハオリーヨウ」=で「オリオン」の音訳からの造語ですが、この表記もなかなかのセンスだと思います。
日本でブランドが変わってしまったのは、たぶん商標権絡みなのでしょうが(「ココアシガレット」などの菓子を作っている「オリオン製菓」という会社があります)、韓国に頻繁に行っている人か興味のある人以外、日本での「オリオン」の知名度はほぼないに等しいでしょうから、別ブランドでゼロからのスタートでも構わないと判断したのかもしれません(逆に韓国の人が見たら、パチ物と誤解してしまいそうですが…)。