TCA:6月もSBMが2ヶ月連続純増1位/au by KDDIについて。

毎月第5営業日のお楽しみ(?)TCA統計の6月分が発表されました。今月も会社別ではソフトバンクモバイルが純増1位、しかも20万超え。ブランド別でも1位auとの差は2,900件まで縮まってきています。ドコモは新機種月間(旧機種値崩れ月間とも)だったにもかかわらず、少し可哀想になってきました。純増の半分は通信モジュール(自販機等)ですし、2in1の純増カウントにもケチが付きましたし。
VFKKの時代には想像も付かなかったSBMの大健闘ですが、ホワイトプランとホワイト家族24、それに980円端末によるところが大きいのでしょう(705SHはもはや超ロングセラーですね)。ここをご覧の皆さんはスマートフォンや海外端末が使えるからSBM、という動機の方が圧倒的なのでしょうけどね。その分野ではVFKKの頃(とくに702NK以降)から高いシェアを誇ってきましたし。


ところで、id:shamilさんのところで紹介されていたロイターの記事にもあるように、世間の見方は「総合力ではKDDI」なのでしょうね。shamilさんのエントリにもコメントしましたが、あくまで「日本のケータイのビジネスモデル」という枠の中においてはそうなのでしょう。iモードで育ち、iモード的なものに慣れ親しんできた今の10〜20代にとって、多数のワンセグや音楽ケータイを擁し、ポップなデザインとカラーの端末が多いauは、ドコモ難民というかiモード難民の流れ着く先としては、SBMより魅力的に映ると思います。
それと、電波のよく届く800MHz帯で効率のよいCDMAを全国展開できる唯一のキャリアである点は、とくに3Gで2GHz帯しか割り当てられていないSBMと比べると圧倒的に有利で、恵まれすぎています(auはアナログ・デジタル各2方式ずつに重複投資を強いられた旧IDO時代から3GでCDMA2000を押しつけられるに至るまで、一貫して国策や「ガイアツ」に振り回され、苦難の歴史を味わってきたのも事実ですが)。
しかし、キャリア・端末・コンテンツまで含めて国内の携帯電話市場はもはや成熟産業になりつつある上、インセンティブモデルにもいよいよメスが入り、SIMフリー端末の導入など国を挙げて携帯電話産業の国際競争力を高める試みがなされようとしている中、今後一番割を喰らう可能性が高いのは国際標準からの乖離度が最高で、輸出市場拡大やコスト競争力向上の見込みも薄い、CDMAauだろうと思います。当然、最近の一連の流れには社を挙げて抵抗してくることでしょう。
今は若々しく先進的で革新的なイメージのauですが、やがてドコモというかNTT並みの守旧派になる日がやってくるのかもしれませんね。


でも、本日現在の瞬間風速でいえば、勢いはやはりauなのかな、と思います。
ノンセキュアMP3やPC上の既存フォーマットの動画が再生できなかった(後者は最近WMVが見られる端末が出てきていますが)国内のケータイで音楽やムービー再生が定着するかどうかについて、個人的には長らく懐疑的だったのですが、ここ1年ぐらいの間にケータイにステレオイヤホンを挿して音楽を聴いている人をよく見かけるようになってきました。着実に普及してきているようで、機種は圧倒的にauが多いです。最近は山手線などの車中でワンセグを見ている人も増えてきました。ワンセグSBMのSH端末も多いですが、モデル数が多く、インセのおかげで型落ちなら1円で買えて解約も気楽なauのほうが、遭遇頻度は高いです。
端末一般で見てもauにしかいないカツオもといカシオをはじめとして、「これがW-CDMAで出てたらなぁ…」と思えるものがいくつかありますし。
あとEZナビウォーク。やはり他のGPSサービスと比べて一日の長があると思います。
auからもスマートフォンが出るそうですが、通常端末と同等のEZナビウォークが提供されるなら、久々に契約してしまうかもしれません。産経のPC定額の記事は「飛ばし」のような気がしていますが。