韓国産WM対応プッシュメールとアプリケーションロック

韓国のHostwayという会社が、Windows Mobile 2003SE以降で利用可能なプッシュEメール・ソリューションを開発し、主に企業向けにサービスを開始した、という記事が先週、inews24に掲載されていました
しかし、このサービス、かなり高額です。韓国で発売されているSK Telecom向けSamsung製MS Smartphone「SCH-M600」対応と謳っているにもかかわらず、月額14,000ウォンのサービス使用料以外にキャリアの提供するデータ定額制が前提となるため、計4〜6万ウォンになるとのこと。
で、昨日付けで同じinews24に「'2%'不足した無線Eメールサービス」という記事が出て、最近韓国のiDEN網(米国で旧Nextelなどが採用しているPTT対応の携帯電話サービスですが、韓国ではトランシーバーの一種という認識で、現在はタクシー無線の代用としての需要が主体)業者「KT Powertel」が開始したBlackBerryでハングルのメールが受けられるのに入力ができない問題(これはハングル版BlackBerry OSがないのが原因で、当面の対策としてソフトウェア入力パネルを開発中とか)とともに、キャリアの支援を受けず孤軍奮闘するHostway社のプッシュメールサービスの現状について紹介しています。同社ではキャリア各社に自社のプッシュメールOEM提供し、低価格なプッシュメール専用料金オプションとして普及を図るべく提案したそうですが、断られてしまったので、自社で展開を図ることになったとか。
「キャリアの制限的なアプリケーション政策のため、せっかく高価なスマートフォンを購入しても無用の長物」「Hostwayのプッシュメールソリューションは魅力的だが、プッシュメールのためだけにスマートフォンを購入するのは負担になる」というスマートフォンユーザーコミュニティのメンバーの声で、記事は締めくくられています。
ちなみに記事中のSCH-M600の写真には「外部アプリケーションのインストールが不可能なスマートフォンというキャプションが付けられています。


MS Smartphoneを提供している世界のキャリアのうち、自社の証明書で署名されてないアプリのインストールを封鎖しているのはOrangeグループとSK Telecomだけだそうで、それでもOrangeのMS SmartphoneはHTC製ですから、HTC署名入りのレジストリエディタやSPV-developers Service、SDA Unlockといったツールのおかげでアプリロックを外したり、他社のROMを焼いたりが可能なわけですが、SKTのほうはハードウェアがHTC製でなく、Orange端末のような手段が取れないため、まだ誰もアプリロックの解除に成功していないようです。
MS Smartphoneに限らず、韓国の携帯電話はJavaの勝手アプリさえインストールできません。そもそも世界で初めてBREWの商用サービスをやったのも韓国ですし。おかげでゲームをはじめとして携帯コンテンツ分野は結構な産業になっていますが、韓国内ではせっかくのMS SmartphoneもほかのJavaBREW、WIPI(韓国独自のアプリケーション・プラットフォーム)端末と何ら変わらないものになってしまっています。Symbian系に至っては導入計画すらありません(NokiaW-CDMA導入を機に3度目の再進出を検討中と伝えられたことはありますが、具体化していないはずです)。
今年の末までには、すべての韓国の市レベル以上の自治体でW-CDMA/HSDPAが利用可能となり、海外のW-CDMA端末を使うためのハードルは確実に低くなります。そうなると韓国でも海外製スマートフォン(ないしはSamsungなどの逆輸入品)がブームになるのかもしれませんね。