A2DPの使用感など。

と、いうわけでHTC Universal (i-mate JASJAR) にT-Mobile MDA Pro用のA2DP対応ROM 1.20.34を導入して2日目となりましたので、足かけ2日使ってみた感想などをまとめておきます。


まず、ペアリング後にA2DPを使うまでの手順ですが、A2DPヘッドセットの電源投入直後は、ヘッドセットプロファイル以外使えません。つまり、A2DPはスタンバイになっていないわけです。必ずBluetooth設定のGeräte (Devices) タブを開いてPartnerschaftseinstellungen (Partnership Setting) をAktualisieren (Refresh)し、かつDrahtloses Stereo (Wireless Stereo)のチェックボックスがいったん外れるので、チェックを付け直してSpeichern (Finish) してやらなければなりません(ひょっとしたら、この辺はA2DP機器によって仕様が異なるかも)。
A2DPがスタンバイになると、ActiveSyncが接続されたときと同じビープ音とともに、タイトルバー上の接続アイコンの左隣にヘッドフォンのアイコンが数秒間出て、通知されます。
以降ヘッドセットの電源を切るかUniversal側のBTをオフにするまで、Windows Media PlayerTCPMPなどで再生される音はすべてA2DP経由でヘッドセットにステレオ出力されます。もちろん、Universal本体のスピーカーやヘッドフォン端子からは音声が出力されなくなります。
音質は直挿しのヘッドフォンと聞き比べるとやや劣る気がしますが、これはSBC(A2DPで使われるCODEC)を通しているからというよりも、mClip Audio 2のアナログ的な要素のほうが大きいような気がします。


いつもはUniversalをBluetoothモデムにして、HTC TornadoでWindows Media ストリーミングの韓国ラジオ放送を聞いているのですが、再生中不定期に音がぷつぷつと途切れることがありました。Tornadoでは起きない現象です。これはA2DPの負荷によるものなのか、Bluetoothで飛んでいるのがデータではなくデジタル音声ゆえ、エラー補正が効かないほどに電波干渉などの影響を受けているためなのかははっきりしません。
ただし、音声オンリーよりもCPU負荷が高いと思われる動画を再生してみたり、ストリーミング再生中にPIEでWebブラウジングするといった負荷をかける実験をしてみた限りでは、それらが原因で音や映像が途切れたと判断される現象はとくにありませんでしたので、干渉の影響のほうが大きそうですね。


電力消費が気になる人も多いでしょうが、フル充電から1時間程度連続ストリーミング再生でのバッテリ消費量は27%でした。
Tornadoとの組み合わせの場合、自宅から事務所までBluetoothモデムとしてほぼ1時間通信しっぱなしで20%程度減るのですが、A2DP環境下では通信機能のほかにWindows Media PlayerA2DPプラグイン(SBCデコーダ)も動いているわけで、バッテリ消費が数%程度上乗せされた感じです。途中でWebブラウジングを試みた(液晶が点灯している)のも多少は影響しているとは思いますが。


シック・ハックについてですが、A2DP関係を抜き出してO2やQtekの現行ROM (1.13.xx) に組み込んだり、または逆に英語版や日本語版のMUIを組み込んだり、というのはぼくも考えたのですが、ROMから直接ファイルを取り出す手段がないのと、imgfs_toolsでダンプしたファイル(DLL、EXE、MUIなどは分割される)をマージする方法がわからないのとで、その辺がわかるまで実行に移せそうにないです。
ROM 1.13.xxとのレジストリのにらめっこで、A2DPに必要なファイルとレジストリ項目は、ほぼ特定できているのですが…