そもそも2005年7月にもなってPDAに手を出したのは…

PDA市場が衰退していると言われて久しいですよね。「そもそも日本には最初からPDA市場なんてなかった」との指摘もあるぐらいですが、少なくともNTTドコモからSigmarion IIIが出た頃までは、日本でもPDAに対するニーズというのはもっとあったような気がします。今は法人向けしかやっていないPDAメーカーの多くが、その頃はまだ個人相手に商売していましたし。
しかし、PDAがそれなりに盛り上がっていた当時から、DellのサイトでAxim X50vをポチっとやってしまうこの7月末に至るまで、自分にとってPDAは興味・関心の対象外でした。管理するほどのスケジュールを抱えない主義ですし、仕事での外出も週に1回あるかないかなので、せいぜい通勤中に仕事関係のメールチェックができればいい。これはNokiaのSeries 60携帯で実現できていました。あと、動画や音楽のプレイヤーも、FOMAやS60で事足りていましたから。
そもそも広い意味でのPDA、というかペン操作のデバイスを初めて自分で所有したのは、7月1日の発売日に購入したFOMA M1000が最初です。それもペンデバイスであることが理由ではなく、Symbian OS(UIQ)なのでS60と同程度のカスタマイズやアプリのインストールが可能、というところに惹かれたためだったりするわけです。
M1000を買ってすぐにシステムフォントをハングル入りのUnicodeフォントに入れ替えたり、EmailViewer/WebViewerをインストールしたりして日韓バイリンガルのメールチェック端末に仕立て上げたのですが、ソフトウェアキーボードの起動の遅さや、PDAとしては小さい画面でのペン入力のし辛さに耐えられず、2週間ぐらいで飽きてしまいました。普通ならここでペンデバイスなんて二度と使うか! となると思うのですが、そうならなかったのは同時期にS60携帯にプリインストールされているRealPlayerで、いくつかのストリーミング放送を聴いてみたからです。
韓国のラジオやテレビ放送など、自分の聴きたいものが聴けるとなるとRealPlayerではなくWindows Mediaということになりますし、そもそも青天井料金のパケット通信でストリーミングなんて、非現実的すぎます。行き着いた先こそ、Windows Media Playerが標準装備されているPocket PC+PHS回線による定額データ通信という組み合わせだったのです。
S60のRealPlayerインスパイヤ(笑)されて、勢いでPocket PCについて調べているうちに、Pocket PCにはWindows Media Playerはもちろんのこと、DivXの再生できるBetaPlayer/TCPMPがあったり、CPUも一般にM1000よりはるかに強力なのでソフトウェアキーボードがもっさりと立ち上がることもなさそうだったり、液晶も最近のものにはVGAが載っていたり、日本語環境上でハングルの表示はおろか入力までも可能そうだったりと、実は自分の求めていたものが一通り揃っているのがPocket PCなんじゃないかな、ということに今更ながら気付いてしまったのです。