チラ裏: SIMフリー化について。

総務省がSIMフリー化を検討しているという記事が先日出て以来、各所で話題になっています。昨年のL&K不当逮捕事件や、ソフトバンク孫社長SIMロック廃止言及まで日本では語られることすらなかったSIMフリー化が現実味を帯びてきたわけですが、実際にロックを廃止したり、欧州のようにキャリア自らアンロックサービスを提供するようになるまでには、紆余曲折があることでしょう。
まずauは事実上1社独自規格ですので、仮に現状の端末紐付けUIMロックをやめたところで、端末の他人への譲渡がしやすくなる程度のメリットしかないでしょう。海外のUIM対応CDMA端末が日本で使えるわけでもないですし。
SIMフリーの恩恵が受けられるのはFOMASBMに限られるわけですが、UA縛りの廃止さえしてもらえれば海外端末が使えそうなSBMのY!ケータイとS!メール (MMS)はともかく、iモードとかiモードメールは現状のFOMA端末がアンロックできたとしても、SBMでは意味をなさないわけですからね。ドコモがiモードiモードメールを、現状のものと並行してWAP/MMSプラットフォームでも展開するようになれば別ですが、可能性は非常に薄いでしょう。

もうひとつ問題になりそうなのが、FOMA独自の800MHz帯(いわゆるFOMAプラスエリア)や1.7GHz帯(東名阪バンド)です。
北米のW-CDMAは850MHzと1.9GHzですし、MotorolaM702iS/iGで800MHzをサポートした例もあるので、GSM端末がシングルバンドからデュアル、トライ、クワッドと拡張されていったように、今後は国内外を問わず、北米バンドとともに800MHzや1.7GHzにも対応してくるものが増えるだろうとは思います。
しかし、少なくとも現存する海外端末の大半では800MHzは使えないわけですし、SBM向け端末もゴニョったX01HT以外2GHzでしか使えないのが普通ですから、FOMA網で使うには不利です(今回の帰省の折、実際にプラスエリアに行ってみて痛感)。

気が付けば独自規格・独自仕様だらけになってしまっていたのがそもそもの不幸ですね。総務省などは日本の端末メーカーの競争力を高めたいと考えているようですが、もしそうなら国内向けと海外向けの共通設計を可能にしてコスト競争力を付けるための、独自規格や仕様の整理を急ぐべきでしょうね。キャリア(とくにドコモ)は大いに抵抗すると思いますが…
個人的にはSMSが相互接続され、かつSBMがY!ケータイとS!メールさえ解禁してくれれば、それで満足なのですけどね。