【改訂版】「Xperiaはiモードには対応しておりません」の次善策

3月18日にXperiaの発売日が発表されると同時にxperia-fan.jpが立ち上がり、一部ブロガーやモニター諸氏にXperiaの試用機が行き渡り始めるとともに、ブログやTwitter、ドコモ自身のFAQサイトなどを通じて、Xperiaの個別機能についての情報が徐々に明らかになってきました。しかし、相変わらず「Xperia+iモードメール」で検索してきている相当多くの人が、実機所持者ではない自分の、このブログに辿り着いているようです。前回、3月1日にXperia上でのiモードメールのまとめを初めてエントリした時点と比べてもかなり状況が変わってきていると思いますので、ここで1日のエントリをベースに内容を更新の上、改訂版としてお届けすることにしました。
現在iモード端末を使っている人がXperiaに機種変更することを念頭に、Xperiaで利用可能なメールの長所と短所について、3月23日現在の情報でまとめてあります。HT-03Aや他のスマートフォンは考慮していません。開発が終了していたり長期間アップデートされていないものや、ドコモ2契約が前提の「iモード.net モバイルアプリ」についても省略しています。あと、個々のメール手段についての詳細も省略します。ここの過去のエントリを参照するか、またはググってください。

名称 プッシュ 可達性 写メ 絵文字 デコメ 変えたよ スキル 手間 放題 PC 料金
iモードメール(参考) - - - × \315
iモード.net(Web) × × × × \735
iモード.net+IMoNi × × × - \735
iモード.net+IMoNi新 × - \735
iモード.net+imoten × × \735
iモード.net+モバセク × × × × \735+α
mopera Uメール × × \525
Gmail × × × \315

  • iモードメールはケータイメールに求められる基本的なスペックということで、比較の参考として。直接Xperiaでネイティブのiモードメールを使うことはできませんので、念のため。
  • iモード.net(Web)」はスマートフォンでのモバイルモードおよびPCでのPC版(いずれもWebメール)を、「IMoNi新」は1.6.0betaをそれぞれ指します。今回は「携帯秘書モバセク」の「ドコモ メールを転送」も追加しました。
  • 「プッシュ」はプッシュメールを受信できるかどうか。プッシュの定義については議論もありますが、とりあえずmopera Uメールは国際標準規格OMA EMNを実装した正真正銘のプッシュ、Gmailはパケットさえ接続されていれば実用上プッシュなのでいずれも○、あとは自動定期受信(プル)なので△としました。Webメールのモバイルモードには、もちろんプッシュもプルもありません。
  • 「可達性」は相手が通常の携帯電話のキャリアメールで「携帯電話以外からの(PCからの)メール拒否」を設定していても届くかどうか。mopera Uメールはドコモのみ可達なので△。
  • 「写メ」はファイル添付の可否。
  • 「絵文字」は絵文字対応状況。受信ができることを前提に、送信側での入力支援の有無や手間を加味して評価しています。imotenでは普通のメーラーを使うため、送信エンコード設定がUTF-8シフトJISでないと絵文字が送れないので△。mopera Uでも同様な手間で絵文字を送信できますが、対他社の絵文字変換サーバーが用意されていないなど絵文字使用は想定外なので×。Gmailは基本がUTF-8なので、Simejiのアドイン「Emoji Picker」とかと組み合わせればかなり行けます。
  • 「デコメ」はデコメール対応状況。作成ができれば○。受信だけなら△。HTMLメールなのでメーラーさえ対応していれば受信はできます。現状、Androidで○はありません。
  • 「変えたよ」は「メールアドレス変えたよ」の連絡が不要か否か。○と×の2択。不要なら○、必要なら×。
  • 「スキル」は使い始めまでの設定の敷居の高さ。前回と少し評価を変えました。敷居が低ければ○、高ければ×。結局、使い始めまでが結構大変なのはimotenだけかと。
  • 「手間」は管理上の手間。iモードセンターにあるメールやiモード.netのログイン通知メールを消すためにiモード端末にFOMAカードを挿し替えるというのはメールの多い人ほど手間がかかると思うので。今回、imotenおよびIMoNi(新)は長時間にわたる連続テストでログイン通知メールが実用上無視できる程度しか来ないことが判明したので、○としました。IMoNi(旧)やモバセクは定期受信の設定間隔にもよりますが、結構多いです。モバイルモードはログインした回数だけ必要。
  • 「放題」は基本料金とプロバイダー料金(iモード/mopera Uスタンダード)のみでメールだけはいくら送受信してもパケット料が無料という「メール使いホーダイ」対応かどうか。料金プランは「タイプシンプル(含バリュー)」と「パケ・ホーダイ シンプル」との組み合わせ限定、かつiモード端末からiモードメールを使うか、または旧Biz・ホーダイアクセスポイントからmopera Uメールを使った場合に限られますので、あまり使っていないつもりでもメール以外にも何かと通信が多く発生するスマートフォンで、このメール定額を最低料金\1,305(タイプシンプルバリュー\780+mopera Uスタンダードプラン\525、いずれも税込)で使いまくろうという人はかなり少なそうですが、改訂を機に一応追加。ちなみに、Gmailiモード.netとの通信はメールではなく一般パケット通信扱いですので、メール使いホーダイの対象にはなりません。
  • 「PC」は同じメアドを使ってのPCからのメール送受信の可否。モバイルモードが△なのは、PCではiモード.net利用なのでWebメール利用、普通のメーラーではないのでやや利便性に欠ける、ということです。iモードメールは単体(基本料の範囲)でPCでの受信ができないので×。IMoNiはAndroid専用アプリなので、この項目は評価の対象外としました。
  • 「料金」はプロバイダーとメールを使うのに必要な付加料金をすべて合計(税込)。iモード:基本料\315/月、iモード.net:\210/月、mopera Uは「mopera Uメール」のみアドレスの付いてくる「Uスタンダードプラン」:\525/月、他はメアドなしの「Uライトプラン」:\315/月で計算しています。キャンペーンなどは一切考慮せず。当然、通話基本料とパケット通信料は別途必要です。モバセクに「+α」が付いているのは、今後有料化(現行モバセクと同じなら\315/月?)の予定があるためです。

もちろん、実際にはもっといろいろな組み合わせや裏技的利用法が考えられます。例えばここに挙げたメールを全部使う場合の料金は、\1,050(\315+\210+\525)になります。あと、mopera Uメールは2つまでのメールアドレスのプッシュ受信が可能なので、メインメールアドレスと別にimotenを利用してiモードメールがプッシュで送受信できる追加アカウントを運用するには、\315+\210+\525+\157.5(追加メールアドレス1個)で\1,207.5*1が必要です。これでiモードメールはほぼリアルタイムでプッシュ受信できるようになり、上の表の「プッシュ」欄にも○を付けられる状態になります。
実際には、これらのメール/プロバイダー関連料金に加え、通話基本料+パケ・ホーダイ ダブル/シンプル定額料(+端末割賦金)も当然必要なわけですから、合計では結構な負担になりますよね。
それにしても、Xperiamopera Uメールが電池にやさしいSMSトリガー方式のプッシュに対応していたというのは、サービス開始初日から(6月で満5年)のmopera Uユーザーとして、やはり嬉しい限りです。あとは遅延の改善はもちろんですが、ドコモ網外でキャリアメール扱いされないがゆえの可達性の低さをなんとかしてほしいところです。他キャリアがiPhone用「i.softbank.jp」のようにmopera Uメールをホワイトリストに載せ、PCメール拒否設定の対象外として特別扱いしてくれるかどうかは、ドコモの政治力発揮如何に掛かっていると思います。
mopera Uメールが届くメール、拒否されないメールになれば、きっと脱iモードの流れも促進されることでしょう。Xperiamopera Uメールを選択するユーザーはもちろん、WM端末などの既存ユーザー、ひいてはスマートフォン界全体にもメリットをもたらすことと思います。ドコモの奮起に期待します。

*1:【3/24 11:50】初出時、金額が間違っていたことをお詫びして訂正させていただきます。